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佐藤(達) 年間何千枚と感謝状出すっていう仕事は文部省にとっても大変な気苦労だと思うんですね。

 

前畑 あれは佐藤達夫先生たちとお話し合いをして、文部省は感謝状の用紙だけを大学にお渡しますよと。献体された方のお名前は大学で入れてくださいというやり方になったからできたんですね。文部省で献体された方のお名前まで書くんでは、とても対応できませんからね。

 

佐藤(達) あれ、相当勇気が要ったと思いますね。

 

前畑 いや、いや、いや。役人は仕事でやっておりますから。

 

江藤 最初のとき小川平二文部大臣に本当にもう前畑先生から大変なご協力をいただいて説得していただきました。
<小沢辰男先生ご到着>

 

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小沢 どうも遅れてすみません。例の住専の問題で国会での委員会が延びちゃってね――すみません。どうぞ続けて下さい。

 

竹内 最初の感謝状のときは大変だったですがね。

 

前畑 法制化ができないとしたら、私どもで出きることでっていうんで感謝状をやらしていただいたんです。

 

星野 感謝状は高木先生の国会のご発言で文部大臣の名で感謝状を出してほしいという、それを最初に言われたわけですけども。

 

前畑 竹内先生、角膜、腎臓はちゃんと厚生大臣が出してるんでしょ。文部大臣が出してないですね。(笑)

 

竹内 そうなんですよね。それを突っついてるわけ。(笑)

 

前畑 お叱りをいただきまして。(笑)

 

竹内 いや私はちょうどこの法案作成のことで、ある一つの思い出があるんですがね。たまたま選挙区に帰りましてあるライオンズクラブから講演頼まれたんですよ。そのライオンズクラブヘ行って向こうの運動方針を見たらアイバンクに参加しようという、ね。僕はそれに引っかけてアイバンクも大事ですけども実は皆さん献体にもご協力くださいと言ったら途端に会場がしーんとなっちゃいましてね。それで一応私の話が終わったらある人がすぐやってきて、先生あの話はだめよと、点数減るよと、こう言うんですよ。献体なんて話すと。

 

星野 それは何年ごろでしたかね。

 

竹内 58年の作業やってる最中ですよ。

 

星野 やってる最中に。(笑)それは、それは。

 

佐藤(達) 現実にそうだったんですか。

 

竹内 なかなか素直には理解は、初めはもらえなかったんじゃないですか。自民党の中の議論で、お前の話聞いてると葬式ができないじゃないかと言われることがあるんですよ。

 

星野 なるほど。

 

竹内 ええ。いや、ですから葬式前にお別れの会をやればいいじゃないですかって反論なんかしたんですけどね。

 

佐藤(達) ああ、そうですね。そういうふうにすればいいかもしれない。

 

江藤 竹内先生がおやりになってもそうなら、政府立法だったら途端に怒られちゃいますね。(笑)

 

竹内 あれはやっぱり高木先生の議員立法で行こうという判断が的確だったんですね。

 

小沢 ああそうですね。最初何という先生だったか、ほら、あんたが言うてくれた?公明党の……。

 

竹内 ええ。高木健太郎先生。

 

小沢 そうそう。先生が、なんとかやってくれっちゅうことからね。それでじゃあ与党でひとつやりましょうということになって、ところで解剖学会が去年の12月に初めて社団法人に認可されたそうですね。おめでとうございます。大変だったでしょう。よくやりましたね。学会のためには大変なメリットですよ。

 

内野 ありがとうございます。

 

小沢 ただ献体はもう十分だというところと、そうでないところがだいぶありますね。アンバランスがだいぶある。文部省に聞いたらだいぶありますね。文部省の資料では献体を受けてる大学が91、公立国立含めてある。そのうちほとんど充足しておるという大学は23大学あるそうです。で、もちろん全

 

 

 

 

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